新刊「一匙のまじないを」の話

本当はペーパーとして一緒に頒布したかったんだけど時間なくて出来なかったやつ、やっと描けた。

グレホメはこのあと幸せに過ごすんだけどその契りをちゃんと描いておきたかった。

 

もともと、融合ってホメロスにとっては、騎士に戻れる、友と居られる、強い存在になれる、良いことづくめだけど、グレイグにとってはどうだったのかな、と思って書き始めた話でした。

グレイグに今後パートナーができても魂を共にしてしまったホメロスに後悔しないかなとか考えて一人で泣いたりしました。

だっていつだって傍にいるの嫌じゃない?それが憧れてた光だったとしてもさ、いやホメロスのこと愛してるならそれでいいだろうけど…いや愛しているが??とグレイグ本気オタクの私とグレホメガチ勢の私でスクラムしてました。

でも描いてみたら思っていた以上にグレイグはホメロスに助けられてたんじゃないかみたいな話になったな。

オチは、既刊の「どうあがいてもファムファタル」でも描いた死亡オチなんですが、今回はかなり前向きというか死に処を得たなという感じですよ。ファムファタルは太宰だもんね。

グレイグはあんまり長く生きられないんじゃないかな、と思う。いや強い男だから生き続けるよ。またスクラムしてる…。だってやっぱり双頭の鷲、欠けたところを補いあって生きてきた二人だから一人じゃつらいよ。それが融合でフォローできたかといえば、やっぱグレイグは一人だと思う。どうしても身体はひとつでうまくいかないことこれから増えてくと思う。

まさにこうホメロスの言ったほんの思いつきの一言、それがまじないになって、グレイグを縛り付けて、そんなつもりはないのに、死んじゃうんじゃないかなあと思う。一言がなくても融合それ自体が呪いなんじゃないかなーとか思ったけど、いや愛だが?という気分でもある。

いただいた感想で、グレイグは盾として全うしたからこそ最後ホメロスと再会できたんですよね、と言ってもらえて、そうかも…!!と意図せず気付きもあった。ありがとうございます。

ゆびきりをした幼少グレホメと一人きりで目が覚めるグレイグの対比シーンがお気に入りです。そのあとの「むごいよ」も言って欲しかったので言わせられて満足してます。むごいよね、大切な友が誰より何より傍にいるのに触れられないなんて。

 

私の考えるグレイグにとってのホメロスがたくさん詰め込めて良かった!今回はグレイグ視点だからホメロスのぐちゃぐちゃな内部は一切見せなかった。だから今度はドロドロでびちゃびちゃなホメロスの内面を描きたいな~って思う。まあ内実は恋なんだが、恋には測りきれない収まりきらないものを抱えて自爆しちゃうんだよな…。そういうのが描きたいね。